おじさんをどうやっていくかの話

行きつけの美容師さんの薦めで、目元用のクリームを使い始めた。

「ケアしないで年を取ると、目の下がたるんで某元首相みたいになるよ」と半ば冗談めいた口調で言われたのだった。
その助言が本当かどうかはさておき、アンチエイジングには興味がある。気軽に試せるものは試してみたいと思った。ネットで探して、聞き覚えのあるブランドのアイクリームを買った。

昔からゲームやPCで目を酷使しているので、いつも目の下が少し腫れぼったいのが当たり前だったのに、クリームを塗った翌日は腫れが目立たなくなり、顔がすっきりした印象になる。すごい。ちょっと怖いくらいに効き目がある(と思っている)ので、塗る量が過剰にならないように気をつけたい。

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少しずつ、自分の身体が老いる様子が目につくようになってきた。

いくら「若く見える」と言われようとも、顔つきは紛うことなきおじさんになった。数年前までは20代に見られることもあったが、さすがにそろそろ若者のふりはできない。指先や足の裏はカサつくし、白髪は増えるし、脂の多い肉はまだ好きだが胃にもたれる。どれひとつ自分にとって例外ではなかった。

長年ニートだったので、社会的な経験値で言えばまだまだ若手同然なのだけど、平均寿命で言えばそろそろ人生の後半戦。老化現象とは向き合っていくしかない。

Yahoo!プレミアムの雑誌読み放題サービスで読んだ女性ファッション誌に「年を重ねてこそ幸せ! エイジング・ポジティブ宣言」という特集が組まれていた。加齢をポジティブに捉え直し、年齢に見合ったファッションを身に纏って活躍する女性の姿が輝かしい。
果たして男性誌のなかにも、老いの捉え方について、同じような趣旨の記事はあるのだろうか。少なくともYahoo!プレミアムの読み放題の中には見当たらなかった。それとも、男はいくつになっても老いなど気にせず“現役”でいたいものだ、というのが現代社会の一般的な認識だろうか。

そりゃ確かに、精神はまだまだ若いつもりだし、いつまでも若々しい自分でいたい。とはいえ一方で、老化や寿命という宿命とは否が応でも向き合っていくしかない。それも、どうせならポジティブに格好良く(あるいは可愛らしく)向き合っていたい。できれば少しでも上手に枯れていきたい。

いつまでも自分が若者のつもりでいるおっさんは痛々しい。それは若々しさとは呼ばない。自覚は常に持っておきたいし、痛いおっさん化を避けるための指針をぼくは必要としている。

指針というのは、そう、例えば……
「あんな風になりたい」とお手本にできる人物。
自分にとっては誰だろう?

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このごろ急に寒くなって、体がまだ気温差に順応できていないので、家の中にいると体の芯が冷えてくる。外に出て、公園を歩きながら太陽を浴びたら、健康的に体があたたまって気持ち良かった。

散歩中の風景

でもこれはもう、おじさんを通り越しておじいちゃんの過ごし方なのでは。