変えることで動き出す

4月、特にここ一週間の間にいろんなものを変えてきた。

Evernoteで昔つけていた、我が家の定番料理のメモをScrapboxに移行した(プロジェクト作成はだいぶ前に済んでいたのだが、肝心の中身の整理が手つかずだった)。

電気使用量のログをExcelからGoogleスプレッドシートに移行した(母のスマホと共有できるようになった)。

MacOSをアップデートした(mojaveからBig Sur 11.3へ。UIがかわいくなって新鮮、不具合もほぼなくて快適!)。

noteに長めの記事を書いてみて、文章をもっと書かねばと思って日記を書く習慣を見直すことにし、その流れで日記用のアプリをOneNoteからUpNoteに変えた(とても気に入ったので、買い切りのプレミアムメンバーシップに即課金した)。

mupon.net

習慣にしたいことを改めてツールで管理することにした(まだ具体的な形は固まっていない、GWの間に始めてみよう)。

先週は楽天で買ったぬか床でぬか漬けを始めてみたら、腸の調子がだいぶ良くなって助かっている。
そういえば、PayPay銀行の口座開設もしたんだった。

自家製ぬか漬けの写真

きゅうりの浅漬けがうまい

使うものや身につけるもの、食べるもの……硬直していたルーティンに新しいものを取り入れると、停滞していた物事も進み出すような気分になってくる。

いつまでも沈んだままではいられない。
世の中に暗い影が差し、どんなに狂気がはびこっても、できるだけ機嫌良くやっていきたい。

『写真講義』

図書館で先月末から借りていた、ルイジ・ギッリ『写真講義』をようやく読了(だいぶ延滞してしまった)。イタリアの写真家であるギッリの講義録。

豊富に収録されている写真の魅力に惹かれるとともに、とても繊細で、ロマンチストあるいは夢想家で、そして理屈屋……そんな彼の人物像が伝わってくるような本だった。心の目で捉えた世界を重んじ、写真という媒体の上でそれを表現しようとするスタンスに共感を覚えた。好きな箇所を一部引用したい。

錬金術にも似た繊細な作業を通じて、私たちの内面──私の写真家‐人間としての内面──と私たちの外で生き、私たちがいなくとも存在し、撮影した後も存在し続ける外的な存在物との均衡点を探し当てるほうに向かわなければなりません。

単純に心のスイッチをONにすること、眼差しを活性化させること、現実の物や要素に別の意味を与えながらこれまで見えていなかったものやことを発見すること、これまでと違う方法で注視すること、こうしたことが重要なのです。

このような注意力を活発にさせられるかどうかが、写真表現での次のステップに関わってきます。取り憑かれたように好ましいフレーミングを探し回ればいいのではありません。

私は当然ながら、彼ほどには写真の世界を深く愛せてはいない。ただ、まれに、撮影に気持ちよく没頭できている時、私にも「心の目で見ている」という実感が湧く瞬間がある。その感覚は大切なものだ、と言ってもらえたような気分で読んだ。

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Amazonのレビューは賛否両論。そりゃそうだろうと思う。ギッリは教え子たちに、とても繊細な領域の話をしている(技術的な面では、おおむね基本的なことしか語られない)。考え方が合わない人も多いだろう。

私にとっては、出会えて良かったと思えた一冊だった。なかなかお高いので、買おうとまでは思えないけど……またいつでも借りられるし。

www.msz.co.jp

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ところで、ギッリの写真には絵画のような美しさがあるが、見ようによっては、なんでもない平凡な光景のような写真でもある。本書のような雄弁な言葉(文章)がなければ、そこに宿る魅力に誰もが気付けるわけではないだろう。

www.archivioluigighirri.com

ということは、もしかすると。
私が心の目でフレーミングして写した写真も、言葉(タイトルやキャプション)をしっかり書かないと、どこを良いと思っているのかさっぱり伝わらないのか。技術が拙いぶん、なおさらだよな……なるほど……。

芝生と花畑の写真

外海を望んで眠る

先週の半ば、仕事を2日間休んで、横浜・みなとみらいに1泊2日で滞在してきた。

ここ1年間、感染予防のために行動範囲を家・市内・職場だけに絞っていたが、ちょっともうメンタル的に限界だった。
リフレッシュのために近場に泊まる、というのは前々から一度やってみたかったし、一都三県から外に出るのがはばかられる状況で、いまできる最大限のレジャーはこれだと思ったのだった。

いつも通りに、人との距離を取り、手の清潔を保ち、必要以上の会話はしなかった。

結果的に、本当にすばらしい休暇になった。
やってよかった! と、今のところは感じている(これが元で感染したら感想は変わるかもしれない……)

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宿泊先はアパホテル&リゾート〈横浜ベイタワー〉。32階のみなとみらい側のシングルルーム。ベッド脇のカーテンを開けると、絵に描いたようなTHE・ヨコハマの景色が広がっていて感動的だった。二重窓の外側のガラスの汚れはご愛敬。

アパホテルの窓から見えるみなとみらいの眺望:昼

(ボーダー柄の映り込みも見えないことにしてほしい)

こんな部屋では、ただ眠るだけでもリッチな行為のように思えた。
夜中に目が覚めたついでに、iPhoneをガラス窓に立てかけて夜明けのタイムラプス撮影もした。

アパホテルの窓から見えるみなとみらいの眺望:夜

21時ごろ。カメラを縦に構えてパノラマ撮影。

www.youtube.com

初日は山下ふ頭の動くガンダムを見に行った。2日目は映画館(横浜ブルク13)まで歩いて『シン・エヴァンゲリオン劇場版』を観た。シンエヴァは作品自体にとても満足したし、朝起きた場所から徒歩で映画を観に行く、というのがなおさら贅沢で良かった。

youtu.be

横浜の動くガンダムの写真

ガンダム大地に立つ。

横浜ブルク13に設置された、エヴァンゲリオン初号機の写真

エヴァ初号機いた

平日のみなとみらいは、人混みが少なくて過ごしやすかった。まるで初めて来た観光客みたいに平凡な写真を撮った。食べたいものを好きなときに買って食べた。前々から気になっていたスイーツをお土産に買った。

横浜ハンマーヘッドの写真

港の浮き輪の写真

関係者以外立ち入り禁止の写真

横浜ハンマーヘッドにて

パイとウメッシュの写真

あふれでる独身生活感

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ここまで書いてきたことは、人によっては取るに足らない、ごく些細な幸せなのかもしれない。ただ、私にとっては至福の時間だった。それくらい、今まで我慢を重ねてきたのだと思う。
特に、撮影欲が満たされることと、一人行動の自由さが気持ち良かった。

近いうちにまた一人で、今度は日帰りで遊びに行く。横浜にも、ほかの場所にも。
感染防止の配慮を止めるつもりはないけど、極力出かけない生活スタイルは変えてみてもいいんじゃないか? 人と会って話さなくても楽しめるような私にとっては、外の世界にも充分に安全で楽しい場所があるじゃないか? 今はそんなふうに思っている。